2025/8
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1
2
AM
3
×
4
5
6
7
×
8
9
AM
10
×
11
×
12
休診
13
休診
14
×
15
16
AM
17
×
18
19
20
21
×
22
23
AM
24
×
25
26
27
28
×
29
30
AM
31
×
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2025/9
 
 
1
2
3
4
×
5
6
AM
7
×
8
9
10
11
×
12
13
AM
14
×
15
×
16
17
18
×
19
20
AM
21
×
22
23
×
24
25
×
26
27
AM
28
×
29
30
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
8月の夏休みは12,13日になります。 定期のお薬が必要な方は手持ちの残薬をご確認頂き、なくならないよう前もって受診の計画をお願い致します。 9月も祝日が2回あります。ご注意下さいませ。

今週のホワイトボード(8/25~)

「新型コロナウイルスのニンバスが流行」

当院でも新型コロナウイルス感染症が多くなってきました。オミクロン系統の「ニンバス」という変異株が主流のようです。本年1月にアジアで初めて分離され、その後欧米を含む20か国以上で検出されています。アメリカでは感染者の43%を占める主流株となっています。日本でも4割ぐらいといわれています。「ニンバス」の症状で最も注目されるのは「剃刀の刃を飲み込むような」と表現される強い喉の痛みです。喉の痛みは74%にみられ、発熱は72%、咳は66%にみられています。今の段階、他の株に比べて致死率や重症化率の増加は確認されていません。

今週のホワイトボード(8/18~)

「虫垂炎は新しい病気」

虫垂炎は世間では誤って「盲腸」と呼ばれています。これは明らかに間違いで、盲腸の先端から出ている虫垂という部位に炎症が起きる病気です。虫垂に膿が溜まり酷い腹痛が生じます。手術によって虫垂を切除するのが標準的な治療です。今は広く知られた病気ですが、虫垂炎が初めて医学的に認識されたのは18世紀になってからです。何故知ることができなかったのかですが、「生きた人間のおなかを切り開いて中を覗き見る」という手段がなかったからです。ところが乳がんは紀元前400年ごろに医学史に記録があります。その違いは体表面の病気と体内の病気の違いです。何と2000年以上の開きがあります。医学が進歩して良かったですね。

今週のホワイトボード(8/4~)

「便秘で水溶性下痢が起こる?」

子どもの便秘は思った以上に多いものです。「毎日便が出ています」という状態でも便秘はあり得ます。例えば10の量の便が溜まっているにもかかわらず排便が7しか出ていなければ3残り、積もり積もれば便秘です。腹痛を訴えて来院する子どもさんの一番多い原因は便秘です。便秘が酷くなれば水溶性の便汁が出てくることがあります。お母さんにとっては「下痢」と思うのは当然です。この現象は直腸に詰まった便塊と直腸の間から便汁が漏れている状態です。医学的には奇異性下痢と言います。この時は浣腸して栓をしている便を取り除き、次いで慢性的な便秘の治療を行います。大抵はモビコールという薬を持続的に服用していきます。

今週のホワイトボード(7/28~)

「下痢について考える」

普通の食事をしていると1日当たり9Lの水分が小腸大腸に入ります。このうち2Lは口から摂取したもので、残りの7Lは消化液です。もしこれだけの水分がすべて肛門から出てきたら毎日恐ろしい下痢状態となりますね。しかし現実は9Lの水分の大部分は小腸や大腸で吸収されて便から出てくる水分は2%以下となります。この様なダイナミックな動きがあるのですがここから下痢という病態を考えましょう。例えば暴飲暴食をすると消化液の分泌が多くなり小腸大腸の吸収能力を超える量の水分が流入するため下痢が起こってきます。腸炎になるとおなかがグルグルと音を立て蠕動運動が激しくなって食べたものの通過速度が上がり、水分の吸収が不十分となり下痢となっていきます。違った観点から見れば下痢という病態も「なるほど」でしょう。蛇足ですが、このダイナミックスさから見れば「摂取水分が少ないから便秘になる」あるいは「便秘の治療として水分を多く摂る」というのも嘘くさいですね。

今週のホワイトボード(7/21~)

「即効性のある漢方もあります」

漢方薬は数日ないし数週間でゆっくり効くというイメージを持っておられる方が多いと思います。風邪薬の葛根湯は風邪薬として有名です。風邪をひいてしんどいのに数日以上かかって効くような事では役に立ちません。実際は数時間以内という単位で直ちに効きます。もっと早く効く漢方に芍薬甘草湯というのがあります。こむら返りや腹痛に効きます。子の漢方は服用して分単位で効いてきます。花粉症に有効な小青竜湯は飲んだ瞬間に鼻汁が止まりますが、全員に効くわけではありません。桔梗湯は喉が痛い風邪の時に処方します。この漢方は湯に溶かして(約40℃のぬるま湯に溶かして良くかき混ぜます)うがいをすれば喉の粘膜に直接に行き届いて即効的に効きます。うがい後に飲み込むのはさらにお勧めです。

今週のホワイトボード(7/14~)

「ライノウイルス感染症流行中」

ライノウイルス感染症は耳慣れない病名ですが極めてポピュラーな感染症です。当院ではPCR検査でこのウイルスの検査を行っています。しかし保険の縛りが厳しく、疑いのある子どもさんすべてに検査ができるわけではありません。「ライノ」というのはギリシア語で鼻という意味で、鼻汁が多いためこの名前が付けられています。当院では春から見受けられ、爆発的ではありませんがゆっくり流行中です。多くの方々には「はなかぜ」で済むのですが、元々鼻の弱い子どもさんでは大量の鼻汁が出てきて後鼻漏症候群の様相を呈したり、また喘息の子どもさんでは鼻汁が大量に出現する風邪症状に加えて喘息発作が誘発されます。毎年春・秋に流行するのですが、特に秋は喘息発作のシーズンと一致しており、これが秋の喘息発作の重要な原因の一つと考えられています。

今週のホワイトボード(7/7~)

「解熱鎮痛薬は胃を荒らす?」

 解熱鎮痛薬は熱を下げたり痛みを抑える薬で、かなり頻回に処方されます。NSAIDsと言われる一群の薬(イブプロフェン・ロキソプロフェン・ジクロフェナク・ナプロキセンなど)は空腹時の服用は避けるように添付文書には記載されています。しかし胃腸障害のリスクに合わせて制酸薬を併用したりCOX-2選択的阻害薬(商品名セレコックス)を用いることで空腹時の服用は一応可能ですが、出来る限り空腹時は避けるのが良いようです。一方アセトアミノフェンは単剤では胃腸障害は少なく、食欲がなくなる方には特に重宝されています。食後に服用するという縛りはありません。効果はNSAIDsより悪いようです。商品名はカロナール・アンヒバ・アルビナなどです。

今週のホワイトボード(6/30~)

「乗り物酔い」

我々がバランスを崩さず倒れないのは、大脳が視覚情報、内耳から平衡感覚情報、および深部感覚情報を整理し、体勢を調節しているからです。大脳はこれまでの経験をもとにこれら3つの情報を統合し身体がどのように動いているのか判断しています、ところがこれら3つの情報が一致しない場合、大脳は情報を処理しきれず乗り物酔いが発生します。例えば車内で読書をすると、視覚情報はほぼ静止していますが内耳からの平衡感覚情報は不規則な揺れによって刺激されます。大脳はこの時混乱し、乗り物酔いが起こるのです。ところが乳児には乗り物酔いが稀です。それは感覚器の機能や大脳の情報統合機能が十分に発達していないからです。ちなみに一番起こりやすい年齢は612歳、ピークは9歳です。片頭痛の大人は乗り物酔いが多い様です。

今週のホワイトボード(6/23~)

「鼻かみの弊害」

 当院では鼻汁の子どもには盛んに鼻かみを勧めています。さて鼻かみについて考察しましょう。鼻かみによって鼻腔内にかかる圧は66±15Hgで、圧が高ければ鼻腔内内容物が上顎洞(副鼻腔炎の起こる場所)内へ流れ込みます。一方咳発作(6±3Hg)やくしゃみ(5±4Hg)でかかる圧は鼻道が開存しているため高くなく、鼻腔内容物が上顎洞内に流れ込みません。鼻をかんだ時、中耳には493266)㎜Hgと高くなります。これらの数値から鼻かみを強くすれば副鼻腔炎や中耳炎のリスクが高くなります。鼻かみは愛護的にやさしくが原則のようです。耳が「キーン」とするようなかみ方は高い圧がかかっています。また鼻かみの前に思い切り深呼吸で息を吸ってから行うのも圧が高くなる要因でしょうね。

今週のホワイトボード(6/16~)

「近視とスマートフォン」

近視患者は年々増加傾向にあります。極ありふれた状態なので気に留めることが少ないですね。しかし重大な合併症は留意してください。眼軸が延長することにより網膜や視神経が脆弱化し、近視性黄斑変性症や網膜剥離、解放隅角緑内障のリスクになります。また近視患者さんは白内障も起こりやすく、白内障では水晶体の屈折率が強くなり近視が進行することもあります。読書が近視のリスク要因であることは間違いないです。近くを見る時間が長ければ近視が起こってきます。同じ理由でスマホが新たに近視の悪化因子に加わっています。スマートフォンは平均32㎝の所で使用されています。データ使用量と近視の関係が明らかになっています。近視だけでなく、一過性の失明や複視が生じることも報告されています。近視の予防は遠くを見る機会が多い外遊びでしょうね。

今週のホワイトボード(6/9~)

「寝る子は育つ?」

成長ホルモンは睡眠により分泌が促されます。この点から「寝る子は育つ」で正しいかもしれませんが、もっと詳細に分析しましょう。成長ホルモンは深い睡眠の睡眠初期に高値になり、その後も睡眠深度に合わせて成長ホルモン濃度が高くなりますが、その程度は軽度です。徹夜した場合、成長ホルモン濃度は抑制されますが、二度寝でも成長ホルモンはしっかり分泌されます。つまり成長ホルモンの分泌には、睡眠をとる時間帯や睡眠時間の長さではなく、深い睡眠がとれるかどうかが重要です。小さな子どもにとっては昼寝も大切な睡眠と言えそうです。蛇足ですが、睡眠時間が短ければ肥満のリスクが上がるというデータがあります。睡眠に影響されるホルモンは成長ホルモンだけでなく、グレリンやレプチンという肥満に関与するホルモンも挙げられます。睡眠時間が短いとこれらのホルモンの影響で食欲・空腹感が増し肥満に通じるのです。

今週のホワイトボード(6/2~)

「ぐずる赤ちゃん」

 生後3か月までに最大で20%の親が子どもの泣き声が問題と感じています。子どもが泣くのは生後6週間でピークに達し生後1216週で収まってきます。お父さんお母さん大変でしょうが時間で解決するのが殆どなので辛抱です。それでも耐えられない方も大勢いらっしゃいます。そんな場合、4SSwaddling, holding at Side or Stomach position, Shushing-white noise, Swinging)がお勧めです。Swaddingはおくるみで包む方法です。holding at Side or Stomach positionは横向きに抱っこするやり方です。Shushing-white noiseはお母さんの心臓の動脈雑音であるホワイトノイズ(雑音の一種で様々な周波数の音を同じ強さでミックスし再生した音)を断続的に聞かせる方法です。泣き止まない時5分間抱っこした状態で歩き、その後5分間ぐらい坐位で抱っこしてから寝かせるのも良いかもしれません。