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5.6月はカレンダー通りの診療になります。 午後は定期受診の予約が早くから埋まりやすくなります。 定期受診されている方は早めに受診日を検討下さいませ。

今週のホワイトボード(5/12~)

「乳幼児のウイルス感染による初めての喘鳴」

 乳幼児はウイルス感染で容易に喘息発作を疑うような喘鳴が出現します。特にRSウイルスやヒトメタニューモウイルス感染症は重要です。またもっと一般的な感染症であるライノウイルス感染症も喘鳴が頻回にみられます。いずれも大量の後鼻漏が溜まる感染症です。初めて喘鳴が出現したときは、喘息の診断はなかなかしづらいものです。というのは喘息という病気は繰り返し喘鳴があるというのが特徴なので繰り返していない場合は診断には至りません。それではウイルス感染による初回喘鳴の時、「喘息の治療が必要か」となれば少なくとも喘息に有効であるステロイド薬は静脈注射や吸入では、入院回避や入院期間短縮には寄与しなかったというデータがあります。その後喘鳴を繰り返し、その喘鳴が気管支拡張薬の吸入で改善する場合は喘息が極めて疑わしくなります。診断的治療として吸入ステロイドを使うことはあります。以上が小児気管支喘息のガイドラインの話ですが、当院ではガイドラインとやや異なって、ウイルス感染で生じる後鼻漏に関しての対応が軸になって展開しています。後鼻漏による喘鳴は重要な位置にあると考えています。

今週のホワイトボード(5/7~)

「スギ免疫療法の勧め」

 スギ花粉症の季節が終わり患者さんはとりあえずホッとしているでしょう。スギ花粉症の治療は、抗ヒスタミン薬・ステロイドの点鼻薬・漢方療法などがありますがいずれも対症療法の域を出ません。舌下免疫療法はこれらと異なり根本的な治療となります。しかし治療は年余に及び気長な付き合いが必要です。アレルゲンを体に入れるので、全く安全とも言いづらいのですがアナフィラキシーの報告は極めてまれ(0.01%未満)です。スギ花粉舌下療法は花粉飛散時期には始められないので今から初秋ごろまでが開始時です。予約を承りますので5歳以上で希望の方はお申し出ください。

今週のホワイトボード(4/28~)

「妊婦さんへのRSウイルス感染症予防接種」

 昨年5月から本邦において妊婦さんへのRSウイルス感染症の予防接種が開始されました。まだ任意で実費がかかる(クリニックにより違いますが30,00038,000円)のですが、一部の自治体では助成金制度も導入されているようです。妊娠2436週の方が対象(推奨は2836週)で、妊婦さんに免疫を作り、胎盤から胎児に抗体が移行し、生後直ぐの乳児の重症化予防を図るというものです。具体的な効果は「生後90日以内の乳児におけるRSウイルス感染症による重度の下気道疾患の発症を約80%減少できた」ということです。対象の方で希望があれば早めに産科の先生に相談してください。またこのワクチンは60歳以上の方のRSウイルス感染症の下気道感染症の予防を図るためのワクチンでもあります。慢性閉塞性肺疾患(COPD)やうっ血性心不全などの慢性疾患のある方には特にお勧めです。

今週のホワイトボード(4/21~)

「百日咳の流行」

 とうとう本邦において百日咳が流行してきました。中国などの周辺国での流行が伝えられていましたが、今年になって日本にも流行してきたようです。331日までの1週間の間に578人が確認され、その後も増加しています。百日咳は小さい乳児に罹患すると死に直結する恐ろしい病気です。咳が強く長く続く本当にしんどい病気であることは間違いありません。3混、4混、5混ワクチンに入っていますが、年齢とともに抗体が落ちてきて、就学前に3混をうつということがなされています。残念ですが公費負担ではありません(淡路市のみ助成があります)。また1112歳で2混(これには百日咳が含まれていません)をうつときに代わりに3混とすることも推奨されています。2混をうっても半年後(もし早く免疫をつけたければ3週間後もOK)に3混をうつ方法もあります。これらの3混も公費負担ではありません。

今週のホワイトボード(4/14~)

「呼気ガス一酸化窒素検査は喘息には絶対必要」

 当院では積極的に呼気ガス一酸化窒素(以下FeNO )を測定しています。この機器を導入して長く経ち、かなりの数の患者さんに寄与してきました。まず喘息の診断に有用です。臨床症状から怪しい場合、例えば喘鳴が複数回以上あれば、喘息が考えられますが、その喘鳴が後鼻漏症候群をはじめ他の理由で起こることも多々あるのです。この点を補いますが、残念なことに5歳以下は小さすぎて検査は無理なことが多いのです。当院では小さくても果敢にチャレンジしています。FeNOが高ければ、ほぼ確実に喘息の診断で良いようです、加えて好酸球性炎症がメラメラと燃えているので、高値すぎれば吸入ステロイドの治療が必要です。基礎薬に吸入ステロイド薬を導入した場合、うまく吸入ができているかの判定にも使っています。奏功すればFeNOは低下してきますが、下がってこない場合は吸入を怠っているのかあるいは吸入テクニックが稚拙なのかの確認を行っています。FeNOが高く続けば将来の増悪や肺機能低下のリスクが高いので慎重に診療しています。

今週のホワイトボード(4/7~)

「アレルギー性鼻炎(花粉症)と喘息」

 この両者は密接な関係にあります。鼻腔と下気道とはつながった一つの気道で、鼻に炎症があれば連続した下気道も炎症が起こりやすいのです。またアレルゲンが一緒であるので、一つのアレルゲンで鼻と下気道にアレルギー反応が起こって来ても不思議ではありません。スギの花粉は大きいので下気道には到達しにくいのですが、例えば雨の水滴が花粉に付着して割れて細かくなれば下気道にも入ってくる可能性はあります。鼻閉があれば口呼吸になりがちです。本来の鼻の役割である加温加湿装置としての機能が損なわれ、下気道に適切でない空気が入ってきます。また鼻でのフィルター機能も不十分となり、アレルゲンが下気道に侵入しやすくなります。喘息の方のアレルギー性鼻炎(花粉症)は積極的に治療しましょう。

今週のホワイトボード(3/31~)

「急性中耳炎の治療」

 急性中耳炎は風邪の合併症で要注意の疾患です。軽症例には抗菌薬適正使用の観点から3日間抗菌薬非投与という選択もあります。症状が強ければ抗菌薬を高容量で使用することも良くあります。高容量というのはクラバモックスという薬で、通常量ではワイドシリンとなります。高容量は副作用として軟便や下痢が見られることもありますが、中途脱落することなく頑張って飲んでください。急性中耳炎の軽症や中等症は多くは鼓膜切開まで必要ないのですが、改善しないときは切開が必要です。重症中耳炎は抗菌薬を飲んでも一旦改善するものの完治しないこともあり、結果的に鼓膜切開が必要な場面も多々ある様です。抗菌薬投与中も保育園にフルタイムで登園している乳幼児ほど再燃再発しやすい傾向にあるようです。

今週のホワイトボード(3/24~)

「花粉症かな?」

 324日現在スギ花粉飛散のピークは過ぎましたが、桜の開花と同時ぐらいにヒノキの花粉が飛び始めます。「花粉症かな?」ということで来院の方が増加していますが、その症状の半分ぐらいは花粉症ではない様です。鼻汁が出るという訴えも「あお洟」であれば花粉症は否定的です。ただ花粉症の方がたまたま風邪をひいたということはあり得ます。くしゃみがあっても連発するのが特徴です。右目だけ目やにが出るという訴えもおかしいです。花粉症は両目公平に花粉が付着するはずだし、花粉症が目やにはほとんどありません。雨の日に症状が強いというのも若干変ですね。1日の中でも花粉は昼前後と日没後に多く舞います。例えば夜中に症状が強いというのも花粉が原因とは言いにくいのですが、布団を昼間天日干しにして布団に花粉が付着していれば起こりえます。IgERASTという血液検査陽性であれば可能性は十分ありますが、「感作されている」という状態で、発症していない場合もあり得ます。

今週のホワイトボード(3/17~)

「睡眠時無呼吸」

普段からいびきがあり、いびきの合間の静かな隙があれば要注意です。これは無呼吸が起こっている可能性が大きいのです。睡眠時無呼吸症候群という診断になります。成人は「10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上もしくは一晩で30回以上」が定義です。こどもは「無呼吸が10秒に至らなくても2回分の呼吸停止があれば無呼吸と診断」とされています。子どもの睡眠時無呼吸は26歳に好発し、若干男児に多い傾向があります。診断が遅れると身体発育、顎顔面形態成長、高次脳機能、心血管系障害などの不可逆的な成長発達障害を引き起こすため、早期の診断治療介入が必要です。原因は上咽頭のアデノイド増殖症や口蓋扁桃肥大が多い様です。また乳幼児期は鼻呼吸が中心であるため、アレルギー性鼻炎や鼻副鼻腔炎による鼻呼吸障害も原因になります。

今週のホワイトボード(3/10~)

「猫を飼っている方は豚肉に注意」

pork-cat症候群という稀な病気があります。猫の飼育歴のある小児ないし成人が、豚肉を摂取後に蕁麻疹や呼吸困難、時にアナフィラキシーが生じる症候群です。猫との接触が数年以上に限られます。猫の血清アルブミンという蛋白質がアレルゲンになって抗体が生じ、構造の似ている豚肉の血清アルブミンに反応するという病気です。猫以外でも犬やハムスターでも報告があります。疑わしい方は生肉(生ハムや畜肉のたたきなど)やハム・ソーセージ・ベーコンの様な燻製加工品の摂取はアレルギー症状を起こしやすいため、加熱の不十分な畜肉・獣肉や肉加工品の摂取を控えるようにしましょう。血液検査で診断ができます。感作原因の猫との接触を回避すれば数年かけて治癒しえます。

今週のホワイトボード(3/3~)

「漢方薬の飲み方」

 漢方本来の飲み方はお湯に溶かす方法です。2030mlのお湯に入れてかき混ぜ510分おくとたいてい解けます。その後水やお湯を加えて適量にしてにおいを感じて味わって飲みます。漢方薬には香りによる効果もあるそうです。以上は大人飲みの方法ですが子どもはそうはいきません。飲み易くする努力が必要です。蜂蜜は1歳以上の子どもさんにとっては咳の薬でもあるので、咳に対する漢方(五虎湯・麦門冬湯など)の時には有効性がさらに増すかもしれません。アイスクリームは冷たさと甘さで漢方の苦みをマスクします。より濃厚なハーゲンダッツがお勧めですがやや高価ですね。漢方は後味が嫌なので一匙ずつ、アイス、アイス+漢方、アイスという具合に後味を消す方法はいかがですか。アイスの中でもクッキークリームは相性が一番のようです。ココアは最強のマスクアイテムです。ミロも飲んでくれる場合が多いですね。大変ですが色々試してください。